Bitoku (Sailing Before The Wind) インタビュー


国内メタルコアに革命をもたらしてきたSailing Before The Wind。6月13日 (火曜日) に初台WALLで開催することが決まっているキャリア初のヘッドライナー&60分セットライブを目前に、リーダーのBitoku君にインタビューをしてみました。当日ご来場されるファンのみなさん、是非これを読んで、遊びにいらしてください。

★★★

「Judgement」時代からライブメンバーも大きく変わり、Leave All BehindのメンバーだったボーカリストRyoichiや、ギタリストのDaisukeとKousukeがライブメンバーとして活躍し、今やSailing Before The Windのライブサウンドを支える重要な存在になっていると思います。Bitoku君にとって、今のSailing Before The Windの状態はどうですか?

状態は、過去最高に良いです。

2~3年前に比べると、現在のラインナップに落ち着いてからバンド内の空気感は完全に別物、伸びしろも感じます。今のペースでライブ活動行えているのは、このメンバーだからこそ。ボーカルのRyoichiは前任者とはだいぶ違う、飾らない等身大スタイルの持ち主ですが、今のライブスタイルにフィットしていると思います。

ギターのKosukeは独自の方法論を持ち込んだりエフェクター作ったり、僕には到底できないことをサクっとやれる理系人で、色々と凄い。もう一人のギターDaisukeは以前Dayfalls.というバンドにいたのもあってスカウトしましたが、人間的な部分での魅力が大きいのかなと。バンドってライブ以外で一緒にいる時間の方が長いですからね。

ドラムは縁あって今はC-GateのHiroki君にサポートして助けてもらっています。ライブを見たことがある人は分かると思いますが、彼のドラミングはまさに"叩く"って感じで爽快です。リズム隊目線でも素晴らしいドラマーだと感じます。

共通して言えるのは、彼らはみな勝手に伸びていくタイプなのも長所です。0から100まで自分が言うには限界があるし、一定の自発性・自主性がないとダメなので。 ドラムとギターに関してはHiroki君以外にもサポートでHibiki君(A Ghost of Flare/Sever Black Paranoia)やKairi君(ex-Beyond Her Words)に助けてもらうことがあり救われています。

Photo by : Masaya Fukuda

昨年の5月にリリースした「Sanctuary」は、前作「Judgement」からおよそ4年振りとなった作品でしたよね。初期Sailing Before The Windを支えてきたKneeyaやTakayaがこの作品を制作するにあたり、重要な存在になっていると思いました。これまでSailing Before The Windに携わってきた人達の存在は、今のBitoku君にとってどんな存在ですか?

ある種の原動力です。

共有した時間のことを思い返す度に、立ち止まるわけにはいかない、と持ち直せる。それこそKneeyaやTakayaと一緒にやっていた頃は、本当に思うようにいかないことの連続で、とにかく苦しくて。何に焦っているか分からないまま焦って。そういう時間を過ごしたからこそ、Sanctuaryに関わってもらいました。オリジナルメンバーの2人とはこれからも関わっていくつもりです。

しかし、他の過去のメンバーやお世話になった人の中には、もう全く会う機会がない人がいるのも事実です。それこそどこで何をやっているのかも分からない。特に昔のメンバーに関してはこれを見ているのかも定かではないですが…それぞれの成功を祈ってます。綺麗事に聞こえるかもしれないけど、当時は自分の経験不足や力量不足で至らない点が多かった分、本当にそう強く思います。新旧サポートメンバーも含めて、今日までこのバンドが続いているのは、彼らのおかげです。

Photo by : Misaki Namizato

Crystal LakeやHer Name In Blood、SOUL JAPANやAlphoenixといったバンドでもプレイしていますよね。それらの素晴らしいバンドでプレイすることは、Sailing Before The Windのプレイに何か影響をもたらしていますか?

端的に言うと、視野の拡大をもたらしています。ライブの種類・規模的な意味と、内面的な意味どちらにも。

バンドごとに違う立場・役割を経験できたのは相当プラスになっていると感じます。SBTWで自分はリーダーですが、他のバンドでは違う役回りになります。これはバンドに限ったことではないと思いますが、1ポジションだけだとどうしても見方も考え方も狭くなりがちなので。

そもそも各バンド、自分の2倍3倍やってきている人達が中心なので、物の見方や運営の仕方、ライブに対するアプローチなど、学ぶべきこと学んだことは枚挙にいとまがないです。全て話すとなると、あとインタビュー100回分くらいの尺が必要ですが大丈夫でしょうか(笑)。

何より、個々の人柄は当然としてプレイヤーとしても尊敬できる人たちなので、そういう集団の一員として共にライブ携わらせてもらえることは素直に光栄に思っています。SBTW以外で関わってきたバンド無しに、今の自分はないです。これは自信を持って言えます。

ただ、伝言ゲームをやってるわけではないので、吸収したものをそのまま自分のバンドに投げることはしません。SBTWにはSBTWのスタイルと思想があるので、そこのアレンジ・選別は意識しています。

Photo By : Masaya Fukuda

Sailing Before The Windのライブ活動をみていると、いつもちょっとした変化や挑戦を感じるのですが、これらのアイデアはすべてBitoku君のものでしょうか?また、そうした挑戦を繰り返す中で、バンドの強い個性として感じている事は何かありますか? 基本的には僕のアイデアです。勿論他のメンバーに意見を求めることもありますし、彼らも感じたことがあれば言ってくれるのでバンド全体のフィルターは経由してます。

とはいえ目論見通りいかないケースもあって。この間グローブ導入してみたときは、いざつけてみたらとにかく弾き辛すぎて1回ライブやってやめました(笑)

バンドの個性って、難しいですね。外見的な要素でいえばウィンドブレーカーは特徴だったけれど今はシャツ。ステージングに対するアプローチも少しずつ変化している。特定の"個性"やただ個性的でいることそのものを目的としたことはなくて。

例えば、全員虹色のウィンドブレーカー着てライブしていたらそれは個性的ではあるけれど、「じゃあやる?」と言われたら、勿論やらない(笑)。あくまでもSBTWのセンスの範囲でやりたいことに挑戦して、導入して。詰まるところ、そういう姿勢自体が個性として見えるように精進したいなとは思います。

あと、バンドのスタンスとしては、これからもD.I.Yの拡大解釈をしないまま続けるつもりです。これに関してはRNR TOURSに共感している部分がかなりあります。

Photo By : Masaya Fukuda

Sailing Before The Windの存在は、日本のメタルコアシーンに大きな影響を及ぼしてきたと思います。ステージングやヴィジュアル、D.I.Yな姿勢でたくましく活躍する姿をみて、活動をスタートさせたバンドも少なくないでしょう。今、Sailing Before The Windで注目しているバンドや、プレイヤーはいますか? 続ける意思のあるバンド・プレイヤーには注目しています。1年後、2年後、3年後…と経過する中で残るバンド(人)と一緒にやっていきたいですね。

そういう存在がいればお互い刺激しあって、折れかけても少しは支えになれる気がします。僕らの何倍も経験があって続けている、先人バンド同士の関係性とかを見ていてもそれは少なからず感じます。

僕らは、同期的なバンドほぼ皆無ですし、最初の1~2年間でお世話になったバンドも次々と活動を止めてしまって、恩返しする機会を作ることもできなかった。 そういう色々を経た今は、短いスパン(自身も未だここに含まれますが)の浮き沈みだけをみて特定の名前をあげることは難しいです。(付け加えておくと、悲観的なニュアンスではないです)

Photo By : Masaya Fukuda

Bitoku君は様々な音楽からインスピレーションを受け、自身のスタイルとして消化していますよね。現在のSailing Before The Windのスタイルには、どのような音楽の影響があるのでしょうか?また、今後の展望としてどのような音楽から、インスピレーションを受けたいと感じていますか?

2012年のJudgementはメロディ/ノーメロディの対比と、メロディアスハードロックとメタルコアの融合を念頭において制作したものですが、2作聴き返すとそのテーマは、Sanctuaryにもかなり投影されてます。Judgement制作時に比べると特に意識はしていなかった分、より自然な形でその各要素が共存しているかなと。 好んで聴く音楽って頻繁に変わらないので、影響を受ける音楽の傾向自体はあまり変わってはいない気はします。捉え方が前より多角的になっただけで。

具体的に挙げると、リアルタイムのリリースだと UKのRosalene (https://youtu.be/NJ_WjBHYBtM)、ex-TELOSの新バンドLost In Separation (https://youtu.be/r4G3t0klcaI) はカッコイイと思いました。

あとHarem Scarem新譜のこれ(https://youtu.be/UC5bhuY_eeQ)は超ストライクで最高。 その他作業中はシドニーのDouble L(https://youtu.be/lcnZYjAaY_c)、昔のメロハー名作(FM,Iconなど)を流すことが多いです。

現行のリリースに前ほど興味がないわけではないですが、最近は知らないバンドを片っ端から聴く横方向のサーチはあまりしていなくて、知っているバンドを縦に聴く方向に傾いています。 先月のTreat来日公演を見に行く際に予習でディスコグラフィー一通りチェックしたのがきっかけですね。「そういえば〇枚目だけ(以降)聴いてなかったな」的なやつです。

思い返してみると、音楽にはまり始めた学生の頃は何も知らなかったので、地元のCD置いてある図書館でアルファベットごとに借りて育ったんですけど、1stから全作揃ってたものって少なくて。 2ndだけ、3rdだけ、2ndと4thだけとか。…ふと思い出しましたがIced Earthは確か1stしか置いてなかったですね、逆に(笑) そういう、当時聴いたバンドの未チェックになってるアルバムを掘り下げていくのが今は楽しいです。原点を認識できて、ルーツがより鮮明になる。

これはあくまでも自分の場合ですけど、バンド漁るのって「よし、漁るぞ!」って腕まくりするようなものじゃなくて。 気づいたらFacebook開いて知らないバンド名クリックしていたり、レビューサイトとかで目についたものやパッと思い出したものを自然に検索して音源再生してるような状態のことだと思ってます。 そんな感じでナチュラルにルーツはどんどん深く広げて、気が向くままに好きな音楽追い求めて。何かに強制されずに、強制せずに、それが反映された曲が沸いてきたら満足です。

Photo By : Masaya Fukuda

ヘッドライナーとして60分セットをプレイすることははじめてですよね。当日挑戦したいと考えている事や、ファンのみなさんに楽しみにしていて欲しい事などはありますか?

セットリストを組むにあたって、とりあえず持ち曲全てプレイした場合をカウントしてみました。そしたら1時間を超えていて。 今後その1時間超えのステップ(90分120分~)へ進むために、まずこの60分セットをクリアすることが1つのハードルかなと。 熱量全開で色濃くやりきれるかどうかが挑戦ですね、ただ単純に長針が1周するだけじゃ意味ないので。

先に言っておくと、今回奇抜な取り組みはありません。ゲストVoを呼び集めるようなパーティー感も排除しました。(…元々パーティーという言葉からは程遠かったです、笑) ただ純粋にライブ自体を楽しみたい、楽しんでほしい。ネットに上がった動画だけを見るスクリーン越しの人ではなくて、来てくれた人に対してライブします。 散々撮影を推奨してきたバンドが今更こういうこと言うのも変ですが。 でも、そんな自分達だからこその、ライブについての拘りが今はあります。6月13日は、あらためて、見に来てくれる一人一人に対する気持ちをしっかり持ってやります。

RNR TOURS、企画してくれてありがとう。バンド抜きにしたら唯一の同期と、こうして機会を設けられること嬉しいです。

絶対に、最初の1秒1音から。よろしくお願いします。


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